生き方探し

半農半Xという生き方

一昨年の今頃でしょうか。
私は千葉県の匝瑳市というところで田んぼ作業をしていました。

なぜそんなことをしていたのか
切っ掛けは

「田舎暮らしをしたら異世界だった件」
(通称:イナイセ)

というマンガでした。


当時、仕事に対するモチベーションが相当落ちている状態で

「このままじゃだめだ!何か別の生き方はないのか!」

と、焦っていた時期でした。
そんな時にネット上で目についたのがこの、イナイセでした。

都会暮らしに疲弊した主人公が田舎への移住を決意し
悪戦苦闘しながらも、新しい生き方を模索し決断していく・・・というような内容です。

別の生き方を探していた私は

「これだ!」

と思いました。
まさに今の私の心情を表しているかのようだ。
これは天からのお告げなのではないか、と

お金がなくても、自分で食べ物を作れば生きていくことはできるし
何より仕事のストレスから解放される!

当時は夢中になって読み進めました。
そしてその際に「半農半X」という生き方を知ったのです。

半農半Xとは、農作業をやりつつ
他にやりたいこと「生業」で生きるのに必要な収入を得て
生活するという生き方です。

兼業農家と似ていますが少々違いまして
兼業農家はお金を稼ぐために農業をしますが
半農半Xは自分が食べるのに必要な農作物を作ることを目的としています。

半農半Xは「必要な分だけ作り、自分で消費する」という概念が強く
ミニマリストとも親和性が高い生き方となっています。

例えば、超ミニマル・ライフの著者の四角大輔さんは
まさにこの半農半X的な生き方をされています。


かなり特殊な生き方を垣間見れるので
こちらの本もオススメです。

と、話がずれましたが
とにかく、この半農半X的な生き方がしたい
いや、これしかないと思い、イナイセで紹介されていた
髙坂 勝さん著書の

「減速して自由に生きるーダウンシフターズ」

を読み進めました。

それと同時に、髙坂 勝さんの活動をネットで検索していると
古民家をリノベーションして宿に作り替えるワークショップを
募集しているではありませんか。

さっそく応募してワークショップに参加することになりました。

見ず知らずの人へコンタクトをとれるような性格ではないのですが
この時は「やらなければならない」という気持ちが強く
リミッターが外れでもしてたんじゃないかと思います。

当日はかなり緊張していたのを憶えています。
髙坂さんは実際に会ってみると、とても気さくな方で

「最初、眉間にしわが寄ってたね」

なんて言われたりもしました。

集まった方々も価値観が近いからか
色々訳アリの方も多く、私も潰瘍性大腸炎のことを
すんなりと話せてしまったりして、居心地はとても良かったです。

そしてワークショップ終了後「My田んぼ」という
田んぼ作業を体験できる取り組みがあると聞きました。

今回のワークショップ参加者は優先的に申し込みを受け付けるとのことで
半農半X的な生き方を体験するために、My田んぼに参加することにしました。
自分に半農半X的な生き方が合うのか、これで判断しようと思ったのです。

前置きが長くなりましたが
こんな経緯があり、1年間を通して田んぼ作業をやることになりました。

結果的には、このMy田んぼのスケジュールは最後まで実施しました。
で、半農半X的な生き方はどうよ?キミに合っていたのかい?
と言いますと

今は合わないかな

というのが私の回答でした。

このMy田んぼでは、昔ながらの手法を取り入れてまして
極力機械は使わずに手作業で実施することになっています。

なので、田植えも全て手作業だし、除草剤も使用しないため
定期的に雑草を取りにいかなければならないし
かなりの肉体労働でした。

長靴を履いていますが、ほぼ田んぼに埋まっている状態
この状態で田んぼ内を歩くのは慣れるまで大変でした。

そして、私が一番大変だと思ったのは稲刈りの時です。
稲刈りも手作業で、鎌を持って刈っていくのですが、これが

刈っても刈っても終わる気配がしない

田んぼの区画の広さは、大体50 ㎡(30畳)くらいで
そこまで大きくはありません。

作業に慣れていないというのもありましたが、午前10時頃から始めて
全て刈り終わるまで、17時くらいまでかかったと思います。

この当時の正直な本音としては

とんでもなく辛い

というのが本音でした。自然の中に身を置くことの気持ちよさや
同じような価値観を持った人たちと一緒に作業するのは
楽しかったし、達成感も感じられました。

ただ、これを何年も継続して続けるのはどうだろうと想像したとき
自分の中で違和感を感じたのです。

念のためになりますが「半農半X的な生き方がダメ」ということではありません。

自分の心に従った生き方ができるかどうか

が、私にとっては重要でした。
それが出来ないと判断したため、半農半Xという生き方は
今回見送ることになりました。

ただ、半農半X的な生き方を諦めたのかというと
そういうわけではありません。

My田んぼで知り合った方で次年度以降もMy田んぼを続けている方がいて
その方のお手伝いに年1回程度ですが、行くこともあり
そのくらいの関りであれば楽しかったりします。

いい所取りしているだけかもしれませんが
やはり自然の中で生きることは気持ちがいいものです。
それに歳をとっていくとまた価値観が変わるかもしれませんから

なので、私の結論としては

今は合わないかな

ということにしました。